消毒液噴霧で「空間除菌」は根拠なし 国「推奨しない」
新型コロナウイルスの感染対策として、消毒液を噴霧して「空間除菌」を図ろうとする動きがある。だが拭き取りなどで物品を消毒する効果が確かめられた界面活性剤を含め、噴霧によって空間内のウイルスを取り除く方法は確立されていない。厚生労働省も「噴霧は推奨しない」との立場だ。物質や濃度によっては有害となる恐れもあるという。
山梨県身延町は5月、公共施設と小中学校の各教室に2台ずつ、「次亜塩素酸水」の噴霧器を設置した。食品加工や医療の現場で使われてきた消毒液で、消毒用アルコールの品薄もあり注目されるようになった。
しかし3日目に使用を中止した。安全を確認するためという。西日本の交通事業者も同21日以降、車内で次亜塩素酸水を噴霧していたが、使用中止を決めた。SNS上では「会社で次亜塩素酸水を霧状に噴霧している」「幼稚園再開のお知らせに『空気清浄機に次亜塩素酸水を加えて稼働』というようなことが書かれている」といった書き込みが相次いだ。
経済産業省や厚労省によると、次亜塩素酸水は専用装置で作った溶液を物品などにかけ流して使うのが一般的だ。分解しやすく、時間とともに効果が薄れる性質があるためだ。「最終食品の完成前に除去しなければならない」という使用基準のもと殺菌料として食品添加物の認可も受けている。新型コロナへの効果は独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)などが調査中の段階だ。
一方、NITEは家庭用洗剤…
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