避難すべき?大雨警戒レベル「わかりにくい」 改善模索

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山岸玲 渡辺洋介

 大雨時の避難の必要度を5段階で伝える「警戒レベル」導入から5月で1年。避難勧告と避難指示(緊急)が同じレベル4に区分され、昨年秋の台風被害では、自治体や住民から「分かりにくい」との声も相次いだ。適切なタイミングでの避難を促す情報提供の形とは――。自治体や国は制度の見直しを模索している。

伝わらなかった「勧告出たら避難」

 昨年10月の台風19号で住宅約700棟が浸水した水戸市は、避難勧告や避難指示(緊急)を防災行政無線で伝える際、サイレンも鳴らして危機感を住民に伝えることにした。台風19号では、避難勧告が十分な避難につながらなかったからだ。

 避難勧告を出したのは、昨年10月12日午後4時。台風が伊豆半島に上陸する3時間前だ。まだ勧告を出す基準に達していなかったが、明るいうちに発表し、早めの避難を促す狙いだった。避難勧告は警戒レベル4の「全員避難」を意味し、市は住民が避難を始めたと考えていた。

 市内ではその後、雨脚が強まり、翌13日午前2時すぎに那珂川の支流で越水が発生。市は同3時半に那珂川の浸水想定区域に、同じレベル4の避難指示(緊急)を発令した。

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 だが、逃げ遅れた170人が…

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この記事を書いた人
渡辺洋介
東京社会部|戦争・憲法・戦後80年
専門・関心分野
食と農林水産業、空襲と核軍縮、地方と震災復興