院内感染の初動対応は…崩れた石川県の甘い見通し

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木佐貫将司 波多野陽
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 日本海から約1キロ、かほく市北部の住宅街に二ツ屋病院はある。最初の感染者が確認されて1カ月。全国的に見ても深刻なクラスターが発生し、いまも毎日のように感染者が途切れない。感染拡大の背景に、何があったのか。

 二ツ屋病院には、内科やリハビリテーション科など、七つの診療科がある。初期に感染者が集中した介護療養病床(48床)のある病棟のほか、外来などがある病棟が並び、関連の福祉施設もある。

 介護療養病床を担当する50代の介護職員の感染が分かったのは4月19日。この時点で、看護師や介護職員ら217人、入院患者203人がいた。患者の多くは高齢者。介護が必要だったり、重い病気を抱えたりしており、感染リスクは高かった。

急速に拡大、でも対策班要請は見送り

 感染拡大のペースは速かった。20日には、患者や看護師ら7人の感染を確認。クラスターが発生していた金沢市の「岡部病院」を追い抜き、翌21日には計12人に増えた。

 ただ、この日の会見で北野喜樹・県健康福祉部長は二ツ屋病院の状況について、「爆発的に(感染者が)増えることはないと期待する」と述べ、国のクラスター対策班の派遣要請も「今後検討」とするにとどめていた。

 神経・精神疾患の患者が多い…

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