最期も家族と会えない人がいる 訴えた患者の10日間

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新屋絵理
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 きっかけは、4月13日午後8時すぎに社会部に届いた1通のメールだった。

 「白血病で余命数カ月の宣告を受け、入院しています。コロナのために家族面会は禁止になり、最期の時も看取(みと)ることはできないと言われました」

 翌14日、記者の電話に対して、血液内科病棟に入院している男性は、自らの状況を丁寧に話した。

 栃木県に住む会社員の男性(57)は白血病を患う。昨年5月、骨髄移植を受けて成功したが、1カ月後に再発。9月には「余命は1年を切っている」と告げられた。体調を崩して3月下旬に入院。もしもの時は、そのまま病院で家族に看取ってもらうつもりだった。

 だが新型コロナウイルス院内感染防止のため、家族の面会は制限された。1日に1人だけ、長くて1時間。妻(56)と2人の娘が日替わりで病室を訪れた。毎晩の夕食の時間にはスマートフォンのビデオ通話を自宅とつないできた。

 13日の朝。看護師から面会禁止を告げられた。「看取りの時も家族は入れません」と説明された。

 「どうして」

 「方針で決まりました」

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 各地でコロナの院内感染が起…

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この記事を書いた人
新屋絵理
神戸総局
専門・関心分野
裁判、人権、国際情勢、フランス