田舎町に来たインドベンチャー 孫氏の巨額投資に勝算は

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井上亮
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経済インサイド

 西日本の海沿いのある街。客室10室ほどの古びたホテルに昨秋、スーツ姿のインド人がやって来た。このホテルとあるビジネスを始めるためだ。経営者の初老の男性が契約書に印鑑を押すと、インド人は「記念写真を撮ろう」と呼びかけ、満面の笑みで写真に納まった。男性は「加盟が増えてうれしかったんでしょう」。インド発の新興ホテル運営会社「OYO(オヨ)」の社員だった。

 オヨは2013年、当時19歳のリテシュ・アガルワル氏がインドで創業した。中小ホテルにネットワークに加盟してもらい、AI(人工知能)で最適な料金を提示する「ダイナミックプライシング」を使った宿泊システムや経営ノウハウを提供。過去の売り上げや将来性を勘案したうえで、ホテルに毎月最低限の保証金を払う。保証金を上回る売り上げはホテルとオヨで分け合う。

 ホテル側はオヨに宿泊料金の決定権を委ねるが、オヨからの保証金で経営が安定する。オヨは客数が増えれば、ホテルの売り上げから得られる収益が増える。そんなビジネスモデルで急成長したオヨは、インドから世界80カ国以上に進出。孫正義氏率いるソフトバンクグループ(SBG)傘下の10兆円規模の投資ファンドからも資金提供を受ける。

「AIで予約増える」と営業

 日本では昨年3月に不動産賃貸事業を始め、4月に携帯電話大手ソフトバンクと合弁でホテル事業も開始。73都市、200施設以上にまで加盟ホテルを増やした。

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 冒頭の西日本のホテルには…

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