栄養バランスのよい食生活は、主食、主菜、副菜がそろった食事です。こう書くと「はいはい、知ってますよ、そんなの常識」と返ってきそう……ですよね。でも、実際できている人がどれだけいるのかを調べると、所得による大きな格差がありました。
格差を浮き彫りにしたのが、2018年の国民健康・栄養調査です。社会経済状況と生活習慣、食生活に関する内容を重点テーマにし、全国約3千世帯からの回答を分析しました。
世帯所得200万円未満の人は…
主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を1日2回以上食べる頻度について、「ほとんど毎日」と答えた人は、世帯所得が年600万円以上の人に比べ、200万円未満の人は男女とも15ポイント以上低く、4割未満です。逆に「ほとんどない」の割合は、200万円未満の人が600万円以上の人に比べ、男性は倍以上、女性でも5ポイント以上高いのです。
頻度が週5日以下と答えた人に、こうした食事は栄養バランスが良いことを知っているかを聞くと、知っている人は性別、世帯年収を問わず8割超え。知識がないのではなく、「知っていても、できない」のです。
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なぜできないのか。所得によ…
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- 大村美香(おおむら・みか)朝日新聞記者
- 1991年4月朝日新聞社に入り、盛岡、千葉総局を経て96年4月に東京本社学芸部(家庭面担当、現在の生活面にあたる)。組織変更で所属部の名称がその後何回か変わるが、主に食の分野を取材。10年4月から16年4月まで編集委員(食・農担当)。共著に「あした何を食べますか?」(03年・朝日新聞社刊)