中東派遣、駆け込み決定 出発点は「ゼロ回答は難しい」

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二階堂友紀 山下龍一 伊藤嘉孝 テヘラン=杉崎慎弥 ワシントン=渡辺丘
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 10月18日の検討表明から2カ月あまり。政府は27日、海自の中東派遣を閣議決定した。米国主導の「有志連合」による活動の本格化に間に合わせるため、派遣の大義や目的についての議論は生煮えのまま、結論ありきで検討は進んだ。性急な決定に、自衛隊の現場からは不安の声も漏れる。

 「緊張の高まりが続いている中東情勢を強く懸念している。日本としての役割を果たさなければ」

 安倍晋三首相は27日、BSテレ東の番組収録でこう強調した。

 6月、安倍首相がテヘランを訪問する最中に日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻がホルムズ海峡付近で攻撃された。米国は「イランに責任がある」と断定。ダンフォード統合参謀本部議長が7月に中東海域での船舶の安全を確保するための「有志連合」構想を表明し、日本にも参加を求めた。

 イランと長年友好関係にある日本政府は米国の出方を見極める姿勢だったが、9月にサウジアラビアの石油施設が攻撃され、一時下火になっていた「有志連合」構想が本格化。政府はイランを刺激せずに米国の要請に応えるための、自衛隊の派遣検討を表明した。

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 その後の検討は急ピッチで進…

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