「アニメジャーナリズム」ことはじめ(小原篤のアニマゲ丼)

有料記事小原篤のアニマゲ丼

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 昔々その昔、1998年3月にソニー・グループがアニメ情報誌「AX」を出し、5月には徳間書店の「アニメージュ」が創刊20周年になるのをとらえ、私は「アニメ誌の情報戦」という大型記事の企画を立てて、両誌のほか角川書店「ニュータイプ」、学研「アニメディア」の編集部に取材しました。4月に東京本社の学芸部に配属され「アニメ記者」宣言をしたばかりで、31歳の私は燃えておりました。

 そのとき立てたサブテーマが「アニメ誌に批評は可能か?」。もちろん少々辛口の作品評だって載らないわけじゃありませんが、いち読者としてはもの足りなく感じていました。アニメ誌にとって製作者サイドは情報源であり広告主であるという事情は分かってましたし、次々と送り出されるたくさんの作品の情報をより早くより詳しくという方針も結構ですが、映画誌のようにもっと批評が太い柱になってもいいのに。

 今は「KADOKAWA代表取締役副社長」と大変偉くなってしまった「ニュータイプ」井上伸一郎編集長(当時)に「アニメ誌に批評は可能か?」と問うと、「可能ではあると思うが、読者に必要とされていないのではないか」。それはまあ、リアルな認識としてはその通りなんだろうなと思いました。

 「自社作品 誌面で応援 多…

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