指と振動と照明と 聞こえなくてもライブ、伝わる臨場感

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本間久志
【動画】聴覚に障害がある人にも音楽の魅力を届けようというイベント「エンターテイメントサーカス」。手話ロックバンドも出演=本間久志撮影
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 ♪君の愛の言葉は何? 人さし指と親指、小指ちょっと気取ってアイラブユー――。打ち鳴らされるシンバル、歪(ひず)みを効かせたエレキギターの音に観客が拳を突き上げ、ジャンプを繰り返す。一風変わっていたのは、熱唱するボーカルが跳びはねながら「手話」を交える姿だった。

 3日午後、名古屋市大須観音近くにある老舗ライブハウス「エレクトリックレディランド」で開かれたのは、聴覚に障害がある人にも音楽の魅力を届けようというイベント「エンターテイメントサーカス」だ。イベントは「聴覚障害者と健常者の音楽の祭典」のサブタイトルがつき、今年で14回目。

 みんなが楽しめるよう、歌詞をリアルタイムでスクリーンに映し出し、演奏者と観客がつくり出す空気の振動や点滅する舞台照明で臨場感を伝える。司会の曲紹介や曲間のトークは、ステージから手話通訳する。

 4番目に出演したのが、手話ロックバンド「BRIGHT EYES super-duper」。ボーカル&ギター、ギター、ベース、ドラムの4人編成で、ドラマー以外の3人は聴覚に障害がある。愛知県立名古屋聾(ろう)学校出身で、リーダーのギタリスト木村正明さん(50)は高等部専攻科に在籍中の1989年からバンド活動を始めた。木村さんは楽器の音や歌声を聴き取ることはできない。ギターのネックから伝わる振動、ドラム、ベースの重低音、それに視覚を頼りに演奏する。

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 参加バンド10組中、聴覚障…

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