コメどころを塩がむしばむ ベトナム、温暖化で海面上昇

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チュンタインタイ=鈴木暁子
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 メコン川の最下流にあたるベトナム南部のデルタ地帯。ビンロン省チュンタインタイのコメ農家ブイ・バン・ズーさん(42)の田んぼは一昨年、昨年と塩害に襲われた。根が枯れ、成長不足でもみ殻にほとんどコメが実らず、約30アールの田の収穫量は半減した。「ここで塩害が起きるとは、数年前まで思いもしなかった」

 塩害は海水がメコン川に流れ込むことで起き、温暖化による海面上昇や、川の上流からの流量不足などが原因とみられている。被害は海岸から約80キロ離れ、メコンの支流から水を引くズーさんの田にまで及ぶようになった。

 メコンデルタは温暖な気候と豊かな土壌で、ベトナムのコメの国内生産量の5割、輸出量の実に9割を占める「ライスボウル」と呼ばれるコメどころだが、塩害と雨期の水不足が農作物に被害を与えている。

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 メコン川の中下流の流域国(…

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