停電が起きると、照明が消え、エアコンが動かなくなる。家庭では、常時稼働している冷蔵庫も止まってしまう。中の温度は徐々に上がっていく。保存していた食材はどうなるのか。

 「まず、冷蔵庫の中が真っ暗になります。子どもたちがまず、そのことに驚きました」

 そう話すのは、愛知県岡崎市に住む香村薫さん(40)。一般社団法人日本ライフオーガナイザー協会(大阪市)に入っている片付け講師で、防災士の資格を持つ。

 小学4年と小学1年の息子、2歳の娘、夫の5人家族の香村さんは、電気が止まったら食事をどうすればいいのか、試したことがある。冷蔵庫の電源プラグを抜き、7日間の「冷蔵庫の停電」を体験してみたのだ。

 初日の昼は、残り物のご飯、納豆に、生サラダと目玉焼きをつくった。夜は、サケの切り身と野菜で「ちゃんちゃん焼き」風。カセットコンロを使い、ポリ袋に入れた食材を鍋に入れて湯煎をすることで調理する「パッククッキング」を駆使。ゆで卵もつくった。

 2日目の夜は焼きそば。3日目の朝はスクランブルエッグに納豆、ハム。夜は、サケをフレークに、サバをみそ煮にした。

 体験したのは昨年の春先。だが、肉や魚は3日で食べられない状態になったという。4日目からは、ご飯や長持ちする野菜、備蓄の袋麺や缶詰などをやりくりして過ごした。

 結局、食材は半分ほどしか消費…

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