米J&Jに600億円の制裁金命令 過剰摂取を助長

ワシントン=香取啓介
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 医療用鎮痛剤オピオイドなどの過剰摂取を助長したとして、米中西部オクラホマ州の地区裁判所は26日、米大手製薬企業ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)に対し、5億7200万ドル(約600億円)の制裁金支払いを命じた。

 米国では薬物の過剰摂取が社会問題になっている。自治体などが製薬会社を相手取って同様の訴訟を起こしているが、判決が出たのは初めて。AP通信によると、J&J側は州最高裁に上告するとしている。

 同州では2007年からの10年間で薬物の過剰摂取で4653人が死亡。州司法長官は、製薬会社が鎮痛剤の過大な効果をうたう一方、依存症になるリスクを正しく伝えず、積極的な販売戦略をとったと指摘。J&Jとその子会社が中心だったと訴え、過剰摂取問題の対策費として20~30年間に126億~175億ドル(約1兆3千億~1兆8千億円)が必要としていた。

 サド・バルクマン判事は「オピオイド危機は州を破壊した。すぐに抑えなければならない」と述べ、製薬会社の責任を認めたが、制裁金は州側が求めた対策費の1年分だった。(ワシントン=香取啓介)

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