かつての自分では書けなかった記事「妻は体重20キロ」
名古屋報道センター・保坂知晃
取材考記 名古屋報道センター・保坂知晃
かつての私なら、この記事は書けなかったと思う。
遺伝性の難病で体に障害がある女性が妊娠した。女性は体重20キロ。医師は「親子そろって死ぬ可能性がある」と宣告した。それでも女性は出産を決断。命を巡る葛藤を乗り越え、776グラムの男の子を産んだことを記事にした。
しかし、あの男性に出会う前の私なら、「障害を乗り越えて」などと書き、悪気もなくこの女性を傷つけただろう。障害は乗り越えるべきものではないことが、当時はわからなかったからだ。
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