(時紀行:時の余話)古都・奈良を彩る存在に

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桜井健至
【動画】産地復活をかけて開発した奈良の新品種イチゴ「古都華」=金居達朗撮影
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 奈良県三郷町出身の記者が、久しぶりに故郷で暮らし始めたのは2年前の春。奈良総局に着任したからだ。小学4年で転校して以来16年ぶりのふるさとでは、至るところで古都華(ことか)のポスターやのぼりを見かけた。奈良市政の担当になり、市のホームページを見ると、職員がイチゴをほおばるPR動画が流れていた。古都華って何? 気になって、取材することにした。

 奈良県桜井市の市街地から10分ほど車を走らせたところに、野菜などの品種開発を行う奈良県農業研究開発センターがある。約10ヘクタールの広大な土地に野菜や果物が植えられ、まだ名前がない未来のブランドも栽培されている。古都華もセンターで生まれた。

 古都華の開発責任者だった西本登志(とし)さん(53)にイチゴを試食させてもらった。ともに奈良県産ブランド品種の古都華とアスカルビー。大きさはほとんど一緒。古都華は先が少しとがっており、シャープ。アスカルビーは丸っこくてかわいい見た目だ。普段はあまりイチゴを食べない記者でも、その違いはわかった。

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 まず、古都華を一口。濃厚で…

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