首長の育休、先駆けた区長「モーレツの時代もう終わり」

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聞き手・庄司将晃
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 3月8日は、国連が定めた「国際女性デー」です。男女格差が大きいとされる日本を、次代を担う若い人たち、とりわけ女の子たちが性別にとらわれず生きることができる社会に――。8年前、自治体の首長として初めて育休を取得した文京区長の成沢広修さんは、「助け合いができるパートナーを選んで」と語ります。

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 2010年に長男が生まれ、2週間ほど「育児休暇」を取りました。制度はなかったので自ら宣言して。当時、育休取得は自治体の首長としては前例がなかったと聞いています。その後、広島・三重両県知事など育休をとる首長が出てきましたね。

 「男は黙って外で仕事、女は家で家事・育児。これが古き良き日本の伝統。女のまねごとを男がするとは女々しい」。私が育休を取った当時、そんな趣旨のお手紙もいただきました。もちろん育休取得に賛成してくれた方もたくさんいましたけど。あれから8年たち、「男女の役割分担」を巡る世の中の雰囲気は変わってきていると感じます。

 電車で子どもを「前だっこ」していたり、学校の行事に参加したりするお父さんは、少しも珍しくなくなりました。私は平日の朝、小学2年になった長男と一緒に自宅を出て、地下鉄でそれぞれ学校と区役所に向かうのですが、周りから奇異の目で見られることはありません。

 とくに女性がキャリアを続けるため、夫婦共働きで子どもを育てることは当たり前になってきました。そこで大事なことは、パートナーとよく話し合って合意したうえで、子どもの成長といった状況の変化に合わせて役割分担を「カスタマイズ」していくことです。

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