フェミニストは人間性に優れて男嫌い?「不正確な神話」

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聞き手・滝沢文那
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たぶん、僕らの問題です――男女格差114位の国って? 翻訳家・野中モモさんに聞く

 ――米国でベストセラーになったロクサーヌ・ゲイのエッセー集「バッド・フェミニスト」の翻訳を手がけました。

 「ロクサーヌ・ゲイは米国で生まれ育ったハイチ系の黒人女性で、田舎の大学教員である自分の体験と、ドラマや映画、社会問題を結びつけて語ります。人種問題や性差別、経済格差など複雑に絡み合った現実を、『私の視点』で根気強く考えている。そうやって読者一人ひとりが自分に引きつけて考えることを促しているんですね」

 ――性差別について鋭く切り込む一方で、フェミニストが「好戦的で、政治的判断と人間性に非の打ちどころがなく、男嫌いでユーモアがない」というのは「不正確な神話」で、自身は好きな色がピンクで男も好き、ときには女性蔑視的な曲にもノリノリで踊る、と書いています。

 「彼女は、理想的な人間ではなくても差別を解消してすべての人の人権が守られるよう願っていればフェミニストである、と言っています。英語の『バッド』は『かっこいい』という意味でも使われます。翻訳は難しいですが、あえて言うなら『ヤバい』かな」

 ――フェミニストと聞くと身構えてしまっても、バッド・フェミニストなら共感できる人も多いのでは。

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 「重要なのは社会の不平等を…

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