ハンパない愛されぶり 「真夜中のカフェでお茶を」(原作・雪代鞠絵 作画・葉芝真己)

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 【松尾慈子】最近、新しいBL作家を開拓できていない。BLジャンルは隆盛を誇っていて、リアル本屋に行けばBL新刊が平積みされているし、ネット本屋をみれば私の買い物履歴から類推されたオススメ新刊BLがずらりと画面に並ぶ。だが、それでもダメな時はダメなのだ。経済学の消費者研究でもよく言われているじゃないか。選択肢が多くなりすぎると、消費者は何を選んでいいのか分からなくなって買えなくなり、結局売り上げが落ちてしまうと。私にとってのBLもその域まで達したのかも知れない。多すぎるBL新刊を私が選びきれない。いや、もしかしたら単に私が時代についていけなくなっただけなのかも知れないが。

 だからではないが、再三のご登場、葉芝真己の新刊である。四半世紀を超えての私の偏愛作家。雪代鞠絵の原作付きではあるが、本作は葉芝作品の特徴を、おそらく意図的に踏襲している。

 葉芝作品に登場する主人公(主として受)は、むやみやたらに周囲の人に愛される。その愛されっぷりがハンパじゃない。主人公が難のない性格であるのは当然だが、特筆すべき特技などはない。なのに、必ず、なんらかの特技ありの長身イケメンに熱烈に愛されるのである。

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 「何の取りえもない私だけど…

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