「虚飾」に尽くす快感と危うさ 古谷田奈月さん「神前酔狂宴」
婚礼、軍神、国家。厳かな言葉は、小説を読むとひっくり返る。古谷田(こやた)奈月さんの『神前酔狂宴(しんぜんすいきょうえん)』(河出書房新社)は、それらの核心にある空虚さに触れようとする長編だ。
18歳の浜野は、時給の良さからバイト先を選んだ。それは明治期の軍神をまつった神社に併設された結婚披露宴…
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