2040年「日本は新興国並み」経産省見通し、失われた30年続けば

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長橋亮文 笠井哲也
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 「失われた30年」の状態が今後も続くと、2040年ごろに新興国に追いつかれ、海外より豊かでなくなる――。経済産業省が24日、こんな見通しを明らかにした。半導体バイオ医薬品の開発などに思い切って投資しないと、国が貧しくなって技術の発展も遅れ、世界と勝負できなくなるおそれがあるという。

 今後の経済産業政策の指針とするため、経産省が課題や展望をまとめた。

 経産省は日本経済が停滞した理由として、企業が安いコストを求めて生産拠点を海外に移し、国内での投資を控えていたと指摘。このままでは賃金も伸び悩み、国内総生産(GDP)も成長しないとみる。今後、GDPで世界5位に後退するとの試算もある。

 停滞から脱するには、国内投資の拡大とイノベーションが重要だとする。とくに半導体や蓄電池再生可能エネルギー、バイオ産業への積極投資が成長のカギを握る。スタートアップや大学、研究所を連携させる必要もあると指摘。それに伴って、所得を伸ばしてゆくという筋書きだ。

 経産省は「政府も一歩前に出…

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    座安あきの
    (ジャーナリスト・コンサルタント)
    2024年4月26日8時43分 投稿
    【視点】

    2040年どころかもうすでに、新興国との間で豊かさの逆転は起き始めています。一昨日まで出張でベトナム・ホーチミンを訪問していました。ベトナムはいま、「生産国」から「消費国」へ、技能実習や下請け的な「オフショア開発」から高度人材による対等関係

    …続きを読む