県立高校の共学化めぐり、高校同窓会と市民団体が知事に要望

山田暢史 黒田壮吉
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 埼玉県立の男女別学高校について県の第三者機関が「早期共学化」を勧告したことを受けて28日、共学化を求める市民団体「共学ネット・さいたま」と、別学維持を求める県立浦和高校同窓会が、それぞれ大野元裕知事に要望を伝えた。

 共学ネット・さいたまのメンバーらは「公費で設置運営されている県立学校は性による差別なく、すべての県民に等しく門戸が開かれているべき」などとする要望書を知事に手渡した。

 一方、県立浦和高校同窓会の野辺博会長らは、「男女別学は今後も維持されていくべき」とする意見書を知事に渡した。同校同窓会は昨年12月にも、同じ意見書を知事あてに出した。

 大野知事は双方からの要望を受け取った後、定例会見で、別学校のあり方については「様々な意見がある」とした上で、「特に高校生や中学生、保護者の意見などを踏まえることが重要だと思う」と述べた。

 現在、県教委は別学校の同窓会や保護者、生徒らへの聞き取りを進めている。今後、高校生や中学生、保護者を対象にしたアンケートも行う予定だ。こうした結果や教育委員の意見なども踏まえて県教委としての対応をまとめ、8月末までに、勧告を出した「男女共同参画苦情処理委員」に報告書を提出するという。

 日吉亨教育長はこの日の会見で、アンケートは「4月の実施に向けて最終的な内容を検討している」と述べた。(山田暢史、黒田壮吉)

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