お酒を少し飲んだだけで顔が赤くなり、弱い体質のはずなのに、たくさん飲んでしまう人がいる。その理由はゲノムにあるのかも知れない――。そんな研究を愛知県がんセンターなどの研究チームがまとめた。
飲酒にかかわる体質は、飲める(GG型)▽飲めるが弱い(GA型)▽飲めない(AA型)の三つに大別される。アルコールが代謝されてできた有害物質アセトアルデヒドを分解する能力に関係し、日本人ではほぼ半数がGG型、4割がGA型、1割がAA型だ。
GG型以外の人は、同じ酒量でも食道がんにかかるリスクが数倍から数十倍も高いとされている。AA型はほぼ全く飲めないのであまり関係がないが、GA型は体質的にお酒に弱いにもかかわらず、酒量の多い人と少ない人がいて、「多めに飲み、鍛えられて強くなった」などと理由が推測されてきた。
チームは、研究のため収集された日本人約17万6千人の全遺伝子(ゲノム)情報と飲酒行動に関する調査結果とをあわせ、同じGA型でも酒量に影響をもたらす遺伝子の細かなタイプを分析した。その結果、同じGA型の人でも、飲酒量の増減にかかわるとみられる遺伝子の領域が新たに6カ所見つかった。
例えば、ALDH1A1という遺伝子の中で、特定の場所の「塩基」と呼ばれる記号が一つ変わることで、1日あたりの酒量が0・26グラム、二つ変わると0・59グラム増える計算になった。今後の解析によっては、実際の酒量への影響はもっと大きくなるかも知れないという。
酒量が増えるような遺伝子タ…
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