フォロワー約60万人の後藤達也さん、読者と「オフ会」重ねる理由

西尾邦明 藤田知也
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 日本経済新聞を昨年春に退社し、フリーの経済ジャーナリストとして活躍する後藤達也さん(43)。ツイッター(現X)のフォロワーは約60万人で、投稿サイト「note」でも2万人超の有料会員を抱える売れっ子のジャーナリストだ。そんな経済インフルエンサーの雄が力を注ぐのは、読者とのリアルなコミュニケーションの積み重ね。その真意とは――。

 7月のある週末の夕方、東京・渋谷のイタリアンレストラン。年齢も仕事も異なる男女が続々と吸い込まれていく。後藤さんが有料読者と交流する「オフ会」の参加者たちだ。

 この日は2部制で、参加人数は1回あたり約50人。五つのテーブルを後藤さんがビール片手にめぐり、言葉を交わしていく。株価チャートの読み方から日々のスキンケアまで、話題は脈絡もなく転がるが、後藤さんにはある意図が込められている。

 後藤さんが昨年7月13日に始めたnoteの月額課金は、月10~20本の記事が読めるベーシックプランで月500円。月980円のコアメンバープランには、掲示板やオフ会での交流が特典につく。会員2万人超のうち3千人余りを占め、希望者が多くて今は募集を止めている。

 「不特定多数が集まるツイッターなどの議論は攻撃的で先鋭的になり、他人の目からも不快なことがしばしば。大きな価値観を共有したメンバー同士であれば、気持ちよく、実りある議論ができるのでは。メンバー間の交流や情報・意見交換を通じて、あらたな知見や行動につながっていくのが理想です」

 後藤さんは自身のnoteで、コアメンバーの狙いをそう語っていた。

 今年7月の朝日新聞のインタビューでは、こんな考えも明かした。

 「1千人としゃべれば、かなりのサンプルになるので、一般読者の全体像がわりと見えてくる。伝統的なマスメディアだと、取材先から聞いた話で『伝えるべきだ』と思いがちじゃないですか。でも、実際はどうか。一般の人が本当に求める情報が何かを探ることは大事だなと思います」

 オフ会はこれまで福岡、大阪、名古屋でも開き、今後は北海道や愛媛でも計画中だ。

 経済ニュースの新旗手の挑戦は続く。(西尾邦明、藤田知也)

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