太陽系の歴史を記録? リュウグウの砂から新「ハードディスク」発見

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佐々木凌
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 探査機はやぶさ2」が小惑星リュウグウから持ち帰った砂の表面を調べたところ、初期太陽系の磁気情報をもつ可能性のある新たな「記録媒体」が見つかったと、北海道大などの研究グループが発表した。太陽系の歴史の解明に役立つという。

 グループは、磁場を可視化できる電子顕微鏡を使って砂の表面を調べた。その結果、一部のマグネタイト(磁鉄鉱)は本来あるはずの磁性が失われ、その周りを取り囲むように磁性のある鉄の超微小粒子(ナノ粒子)が点在する組織が確認された。

 この組織の元素の分布とシミュレーションの結果から、リュウグウの誕生後に非常に小さな宇宙のちりが秒速5キロ以上の速さで衝突し、表面が熱せられてできたとみられることが分かった。

 組織の中の鉄粒子が、当時の…

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    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2024年5月6日10時6分 投稿
    【視点】

    一粒の砂、もし地球に届かざれば…。それにしても、小さな砂粒からずいぶんいろいろなことがわかるものだなあと感心する。科学研究の成果は、私たちがどこから来たのかを知る手がかりを提供してくれる。かつて宗教が担っていた役割を、今は科学が果たしている

    …続きを読む