第1回後藤達也さん「ニュースはすし屋のネタ」最強インフルエンサーの法則
【連載】経済ニュースの新旗手たち
ニュースを報じる営みは、これからどう変わっていくのでしょうか。有料の経済メディアとして新境地を切り開く3人に、読まれるための工夫や読者との関係性づくりの方法など、根掘り葉掘り聞いていきます。
日本経済新聞を辞めてSNSでの経済ニュース発信を展開するジャーナリストの後藤達也さん(43)。ツイッター(現X)のフォロワーは約60万人、投稿サイト「note」の有料読者も2万人を超すなど、幅広い支持を集めています。何が読者をひきつけるのか。独立の経緯から読まれるコンテンツの作り方まで、インタビューで詳しく教えてもらいます。
――有料会員に今年、よく読まれた記事をひとつ教えてください。
日本銀行の新総裁が植田和男さんに決まったと報じられた2月10日に、noteで配信した「植田氏ってどんな人?」です。メディアで速報が出てから15分ほどで、まずは2段落くらいの記事で「今から上書きしていく」とアップしました。それから2、3段落つくっては上書きして、1時間もしないうちに2千字弱の記事に仕立てました。
――どのくらい読まれたんですか。
PV(ページビュー)は7万8千ほど。ふだんは2万台が中心で、この記事から課金の申し込みにもつながりました。
――なぜ読まれたのでしょう。
事前の予想と違い、一般の人にあまり知られていない名前が出てきたので、「とりあえず、こんな人」という内容にニーズが高かったのでは。大手メディアも植田さんが何者かを解説しましたが、ちょっとした情報を早く配信できたことが、ニーズにあったのかなと。
ニーズとコストの見合いで考える
――第一報をパソコンの前で待ち構えていたんですか。
その日に判明しそうだと報道…
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