【アーカイブ】(逆風満帆)作家・森村誠一:下 10万円の防弾チョッキ

有料記事

【2015年5月30日朝刊週末be】

 『人間の証明』から5年後の1981年、森村誠一(82)は衝撃的なノンフィクションを世に出した。関東軍防疫給水部(731部隊)に焦点を当てた『悪魔の飽食』。謎に包まれた実態を明らかにし、生体実験のありさまを書いた。

 発端は元隊員からの連絡だった。森村は別の小説で731部隊に触れていた。その記述に関し、実態は違う、本気で調べるのなら協力する、と。この元隊員を起点として森村は731部隊の調査にはまる。『人間の証明』や『野性の証明』で稼いだ金を取材につぎ込んだ。どう発表するかも決めずに徹底取材した。

 「本にしたとき、最初はあま…

この記事は有料記事です。残り1648文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【締め切り迫る】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら