宮城県石巻市の大学生、梶原真奈美さんは20歳。今年1月、成人式を迎えた。
年に1度。つらい思い出が残る3月11日。
この日は、ある人に出会える特別な日でもある。
「一番は感謝の気持ち。本当にうれしいなって。年に1度の特別な日なので、『ありがとう』という気持ちと、今年も会えてうれしいという気持ち。もう、人生の半分以上の時間を一緒に過ごさせてもらっています」
ある人とは――。
世界選手権を2度制したプロフィギュアスケーターの安藤美姫さん(35)のことだ。
2011年3月11日。
安藤さんはその月末に日本で開催される予定だった世界選手権に向けて、福岡で調整中だった。
震災の影響で、世界選手権は当初の予定から1カ月遅れて、モスクワでの開催となった。
「スケートをやっていていいのか。棄権も考えました」
安藤さんはそう振り返る。
しかし、震災に苦しむ人たちのために、私にしかできないことがあるのではないか。そう思い直した。
11年4月30日。安藤さんは2度目の世界選手権優勝を果たす。
当時、モスクワで取材をしていた僕は、安藤さんの優勝直後の言葉を、こう書き記している。
「自分も家族を亡くす気持ちは分かる。その悲しみを吹き飛ばしてくれたのがスケートだった。私の演技を見て、一人でも多くの人に笑顔が戻ってくれればいい」
安藤さんは幼少期に交通事故で父親を亡くした経験を持つ。
優勝を果たした後、「自分に…
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- 【視点】
「あれから12年になりますけど、一番最初は今回だけなんだろうなと思っていました。いろんな芸能人もそうじゃないですか」。私は芸能人ではないですが、精子さんの言葉がグサリと胸に刺さりました。 東日本大震災が起きた時、主に災害や事故などを取
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