昨年、日大三島(静岡)を春夏連続で甲子園に導いた永田裕治監督(59)は生徒とのコミュニケーションを大切にする。母校の報徳学園(兵庫)を率いていたころに指導した左腕エースとの日々を語ってくれた。
彼の様子がおかしくなったのは、2年の夏過ぎやった。エースとして春夏の甲子園に出場したが、ともに初戦敗退に終わった。春は2失点完投と好投したが、夏は熱中症になり、七回途中で交代せざるを得なくなった。かなり悔しかったと思う。
新チームがスタートして、再起を期した練習中にまた倒れて3日間入院した。
そのあと、キャッチボールがまともにできなくなった。急に思い通りに体を動かせなくなる、いわゆる「イップス」やった。
毎日投げていたボールが、うまく投げられない。本人も何が何だかわからんかったと思う。手が震え、顔が真っ青になっている。
「慌てんでええ。ゆっくりやろうや」
体育教官室でそう話し、「明…
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