第7回奨学金を打ち切られた19歳 根強い格差、「学歴社会」でゆらぐ将来

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塩入彩
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 メールを開けた瞬間、淡い期待は打ち砕かれた。

 「奨学金の振込はありません」

 5月中旬。兵庫県に住む男子学生(19)のもとに届いたのは、奨学金の支給打ち切りを告げる大学からの回答だった。

 男子学生が、愛知県内の私立大に入学したのは昨年4月。シングルマザーとして自分と妹を育ててくれた母(53)が仕事を失った翌月だった。

 母が働いていた冠婚葬祭関連…

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    増谷文生
    (朝日新聞論説委員=教育)
    2022年6月28日20時5分 投稿
    【解説】

     この学生のように、同情できる留年であっても、紋切り型に支援が打ち切られることの弊害は、制度設計の段階から指摘されていました。  しかも、最近では、経済的に豊かな家庭の子が、塾などで成績を伸ばして、学費の安い国立大に進む傾向が強まっていま

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    氏岡真弓
    (朝日新聞編集委員=教育、子ども)
    2022年6月30日6時54分 投稿
    【提案】

    増谷さんのいうように、紋切り型の問題は大きいと思います。 苦しい学生を救うという制度の趣旨からいえば、経済的に厳しい学生こそ救うべきなのに、切り捨てる結果になっているのは大きな問題です。取材でもこの記事と同様のケースに出会いました。その学

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