ネットメディアのジレンマ ヤフー出身者が挑む持続可能なしくみとは

[PR]

メディア空間考 土屋亮

 ヤフーのニュース部門で働いていた中瀬竜太郎さん(46)が退社したのは2013年、38歳の時だった。ネット大手を去る決断は周囲から不思議がられ、事情を知る人からは心配された。中瀬さんが公言したのは、「退社後は古巣のビジネスモデルに挑む」ということ。それから8年、ネットニュースの競争が激しさを増すなかで、中瀬さんの挑戦は今、どうなっているのか。

 インターネット上に展開する様々なメディアの記事を集めた記事集積サイトは「Yahoo! ニュース」を筆頭に、新聞社やネットメディアなどのどの記事も無料で読めるのが魅力だ。では、その収入はどこから来ているのか。答えはネット広告だ。記事が読まれたことで生じる広告収入は、ヤフーなどの集積サイトと、記事を書いたメディアが分け合うしくみになっている。

「ヤフーが大半を取っていた」 このままでは…

 分配の比率はメディアごとに契約で決まっている。公開はされないが、中瀬さんによると「ヤフーが大半を取っていた」という。

 驚くのは、中瀬さんがヤフー…

この記事は有料記事です。残り1262文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【お得なキャンペーン中】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら