「コバックスはひどい失敗」明白なワクチン格差、アフリカは1割未満

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瀋陽=平井良和 パリ=疋田多揚 シンガポール=西村宏治 ワシントン=合田禄
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 グローバル化した世界で急拡大した新型コロナウイルス。人類は感染対策の切り札としてワクチンを開発したが、高所得国が急速に接種を進めた一方、低所得国では1回接種の人もまだ少ない。感染拡大が続けば新たな変異株が出現する懸念もあり、「ワクチン格差」の解消は急務だ。

ブースター開始、日常取り戻しつつある高所得国

 世界で最初に感染が拡大した中国は、大規模なPCR検査と濃厚接触者の徹底的な隔離で感染の連鎖を完全に断ち切る「ゼロコロナ」の戦略をとる。2020年6月以降は本土内の感染者の総計は約8千人、死者は2人にとどめている。

 国産ワクチンの接種を急ぐ。10月20日時点で22億回以上、完了した人の割合は7割以上になる。接種から半年以上が経った60歳以上らから3回目の「ブースター接種」も進む。工場の新設も相次ぎ生産能力は年間70億回分を超え、100カ国以上に15億回分のワクチンを提供。アジアや中南米では当初の接種が中国製頼みだった国も少なくない。

 習近平(シーチンピン)国家主席は9月の国連総会での演説で「ワクチンは全世界の公共物だ。途上国が入手できる環境を整え、速やかに世界に公平に分配する必要があると、私は何度も強調してきた」と訴えた。

 世界最多の感染者と死者を出…

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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2021年11月3日18時48分 投稿
    【視点】

    高所得国で3回目のブースター接種が始まっている今、高所得国の善意に頼るしかない低所得国へのコバックス支援は完全に後回しになっていて、先のG20でも具体的な解決策が合意されなかったことは残念でなりません。 私が現在住んでいるモザンビーク

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