これからは僕らがつなぐ 中越地震17年、山古志・小千谷で追悼式

伊丹和弘 白石和之
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 【新潟】最大震度7の激震に見舞われ、68人が犠牲となった中越地震から23日で17年。長岡市小千谷市では追悼行事や防災関連のイベントが開かれた。(伊丹和弘、白石和之)

 全村避難を余儀なくされた長岡市山古志地域の追悼式では、地震が起きた午後5時56分に中学生が鳴らす「希望の鐘」に合わせて黙禱(もくとう)。会場の山古志体育館前には震災時の旧山古志村の人口と同じ2167本のろうそくがともされた。

 30、40代の住民らからなる団体「小さな山古志楽舎」が主催した。代表の長島忠史さん(39)は当時22歳。バイト先の小千谷市にいて、長岡市に避難した家族と会えたのは3日後だった。自宅は全壊。「この日は節目の日。今まで大人に引っ張ってきてもらった。これからは僕らがつなげたい」

 式には衆院5区に立候補する3候補も参列した。

 震災の経験と教訓を後世に伝える小千谷市の防災学習施設「おぢや震災ミュージアムそなえ館」は23日で開館10周年を迎え、防災イベントが開かれた。震災翌年に児童3人が犠牲となった同市塩谷集落にボランティアに入った新潟市中央区の委託販売員佐々木美恵さん(43)は子供2人と3D映像などで震災を追体験する「発災シアター」に。長男の祥太くん(6)は「イスがすごく揺れて怖かった」。佐々木さんは「言葉で言っても揺れは分からないので、いい経験になった」。

 午後5時からは追悼行事も行われ、発災時刻にあわせ慰霊の花火「白菊」3発が打ち上げられた。

 また、復興を祈願して地震翌年から2010年までおぢやまつりで上げていた「夢花火」を復活。信濃川河川敷で午後6時30分から約280発の花火が20分間打ち上がった。小千谷観光協会は「8月のおぢやまつりも2年連続中止。コロナ禍からの復興の気持ちも込めた」。

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