揺らぐ民主主義 「呪い」解くため、今後数年がかぎに 米歴史家

有料記事朝日地球会議2021

聞き手・鵜飼啓
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 米国の民主主義が揺らいでいる。2020年の大統領選で現職のトランプ氏が敗れると、投票結果を受け入れない人たちが連邦議事堂を襲う事件が起きた。その後も州レベルで投票権を制限するなどの動きが広がる。この事態をどう受け止めればいいのか、歴史家でジャーナリストのコリン・ウッダードさんに聞いた。

 ――米国の民主主義を取り巻く状況をどう見ていますか。

 「この国は病んでいる、と言っていいでしょう。民主主義の失敗につながりかねない不安定な状況にあります。『すべての人間は生まれながらにして平等』で、『生命、自由および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられている』とうたった独立宣言の理想を追い求める『米国の実験』の失敗にもつながりかねないものです」

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コリン・ウッダードさんは、10月17~21日にオンラインで開催される朝日地球会議に登壇します。参加費は無料。事前登録が必要です。

 「自由、公正に行われた選挙の結果を覆そうと、民主主義を妨げ、結果をゆがめ、暴動や連邦議事堂に対するテロ攻撃を行うようあおるという試みが公然と、歩調を合わせて恥じらいもなく行われました。しかも現職の(トランプ)大統領がそれを奨励したのです」

 「民主主義が定着していない不安定な政情の国で起きるようなことが、この国で起きているということを非常に懸念しています。長い間にわたって積み上げられてきた結果ですが、重大な局面を迎えています」

 ――昨年11月の大統領選後にさらに混迷を深めているように見えます。

 「確かに米国の民主主義にと…

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