ジャガイモ 水にさらして炒めればシャキッと新食感
ごはんラボ ジャガイモのシャキシャキ炒め
肉じゃがにカレーライス、ポテトサラダと使い勝手の良いジャガイモは、一年中手頃な値段で手に入る頼もしい食材です。調理法によって食感ががらりと変わるのもうれしいですね。今回からの3回シリーズでは、味だけでなく、食感の変化も楽しみます。
初回は、おなじみの「ほくほく」とは違う「シャキシャキ」の炒め物に挑戦します。まず大切なのは、ジャガイモ選び。炒めても崩れにくい品種が向いていて、今回はメークインを使います。
マッチ棒ほどの細さに切ったら、水にさらすのがコツ。でんぷんを洗い流すことで、炒めた時にお互いがくっつかず、サクッとした歯ごたえになります。
しんなりした長ネギ、ぴりっとした黒コショウ、そしてほんのりとした酢の酸味の絶妙なバランスに箸が止まらなくなります。ビールとの相性も抜群です。
長ネギの代わりにキノコやマイタケ、エノキを入れれば秋の味覚が楽しめます。(山本奈朱香)
監修・料理:吉田 勝彦
調理科学 :香西みどり
【材料(2人分)】
□ ジャガイモ(メークイン 2個) 200g
□ 長ネギ 60g
□ 酒 大さじ2
□ 塩
□ 水 大さじ3
□ 黒コショウ 小さじ1/2
□ 酢 小さじ1
□ サラダ油 大さじ2
【道具】
□ 包丁とまな板
□ ボウルとざる
□ フライパン
【作り方】
①ジャガイモの皮をむいたら、縦長に薄くスライスし、それを2~3枚ずつ重ねて細く切る。約2mmの薄さを目指す。スライサーを使ってもいい。水を張ったボウルにざるを重ね、そこにジャガイモを浸す。水が濁ったら2~3回水を替え、5分ほど置く。長ネギも薄切りにしておく。
②ジャガイモを入れたざるを引き上げたら、塩ひとつまみ(小さじ1/2)をまぶし、手でもみこむ。5分ほど置いてしんなりしたら、水気を絞る。余分な水分を除くことで、仕上がりがよりシャキシャキになる。
③フライパンに油を引いて中火にし、長ネギを炒める。香りがたってきたらジャガイモを入れて混ぜあわせる。酒、水、塩小さじ1/2、黒コショウを入れ、さらに炒める。酢も加えて混ぜ、ジャガイモに透明感が出てきたら完成。
【アレンジ】
◆シャキシャキサラダ
シャキッとした食感のサラダにすれば、ポテトサラダとはひと味違った、和食にも中華にも合うおかずになる。ジャガイモ2個を、炒める時と同じように細切りにする。鍋に湯を沸かし、熱湯の中に入れて一煮立ちさせたら、ざるにあげる。塩小さじ1/2とゴマ油大さじ1を加えて混ぜたら、うちわであおいで冷ます。薄切りにしたハム4枚と、冷めたジャガイモをボウルの中で混ぜあわせる。酢小さじ1も加え、全体を混ぜたら完成。
Cookery Science
ジャガイモの主成分はでんぷん。細胞内のでんぷん粒は小さいが、加熱すると細胞液中の水分を吸収して膨張し、糊化(こか)して粘るようになる。切ってそのまま炒めると表面のでんぷんで全体がくっつく。これを防ぐには、水で表面のでんぷんを洗い流してから炒めるとよい。
フライやサラダ向き商品も
ジャガイモは品種によって食感や色が異なります。丸形の「男爵」はほくほくしていて、粉ふきいもやマッシュポテトに向いています。長い卵形でなめらかな食感の「メークイン」は煮崩れしにくいため、カレーやシチューなどの煮込み料理におすすめです。
南米原産のジャガイモは江戸時代に日本に広がり、男爵は明治、メークインは大正時代に導入されました。その後も調理に適した開発が進み、フライ向きの「十勝こがね」、サラダに合う「さやか」などが開発されています。
首都圏を中心に展開する東急ストアでは、明るい黄色で甘みが強い「インカのめざめ」など、多い時には5~7品種を販売。最近はほくほくとした食感で甘みが強い「キタアカリ」も人気だそうです。
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