20年前、攻撃予告したシンワル氏 刑務所で語ったイスラエルの弱点

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聞き手・其山史晃
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 昨年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエル越境攻撃の首謀者とされ、今年8月にハマス最高幹部の政治局長に選ばれたヤヒヤ・シンワル氏はいまもパレスチナ自治区ガザ内部に潜みながら、戦闘や停戦交渉を指揮しているとみられています。シンワル氏がイスラエルの刑務所で服役していた時代、歯科医として、後には刑務所の諜報(ちょうほう)部門の幹部として対話を繰り返したユバル・ビトン氏(57)に聞きました。

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 ――シンワル氏との関わりを教えてください。

 私はもともと刑務所に歯科医として勤めていました。2004年のある日、診療所に入ると、ベッドにシンワルが横たわっていました。「最近、お祈りの時に首の後ろが痛くて、体のバランスが崩れるんです」と言っていました。私は彼の症状を聞いて、「脳に問題がある」と判断し、民間の病院に送りました。そこで脳腫瘍(しゅよう)と診断されて手術を受け、命が助かったのです。

 ――ハマスのメンバーの歯の状態はどんなものでしょうか。

 ハマスのメンバーの歯はとても白く、きれいです。たばこを吸いませんし、キャンディーのようなものは食べず、野菜をよく食べます。イスラム教の決まり通りに1日5回のお祈りの時には、体を清潔にします。パレスチナ解放機構(PLO)主流派のファタハのメンバーは夜中の2時、3時までテレビを見ており、生活様式はイスラエル人と一緒ですが、ハマスは夜9時には消灯して寝ます。

イスラエルを知ろうとしたシンワル氏

 ――シンワル氏と話すなかで、いつかイスラエルを攻撃すると感じたことはありましたか。

 04年にシンワルは「君たち…

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この記事を書いた人
其山史晃
中東アフリカ総局長
専門・関心分野
中東、安全保障、地政学、テロリズム
イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]