PKボールへの水かけ論争が行き着く先 決定的に欠けている「精神」

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潮智史

 ペナルティーキック(PK)で蹴るボールに選手が水をかけるのはありか、なしか。

 J1・FC町田ゼルビアの藤尾翔太(23)の行為が議論を呼んでいる。

 8月のジュビロ磐田戦では給水ボトルでぬらしたところで、主審にボールを交換させられた。本人もチームメートも不満を示していた。別の試合では相手選手に一度は止められたが、ペットボトルでのどを潤したあとにそのまま水をかけたこともあった。同様の行為を繰り返している。

 ルールで禁じられていないから問題ない、という考え方には強い違和感を抱く。そんなことを言い出したら、ゲームは成り立たなくなる。法律にひっかからないなら、なにをやっても許されるのか、という話だ。まして、これはスポーツの話である。

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サッカーを30年以上にわたって取材してきた潮智史記者が独自の視点でつづるコラムを連載でお届けしています

 わずか17条しかないサッカーの競技規則は極めてシンプルなものだ。刑法のような法律とは異なり、個別具体的な行為や事象を想定して、そのひとつひとつを規定しているわけではない。

 競技規則の冒頭には、「発生…

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潮智史
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