第2回削ることができる時間は…「研究」 交付金減で忙殺される国立大

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 国立大学が法人化されて、この春で20年。この間の政策や環境変化は、大学にどのような影響を与えたのか――。朝日新聞社は1~2月、学長と教職員に対し、この20年を振り返るアンケートを実施した。自由記述欄も含めた37問に、学長は全86大学の92%に当たる79人が回答。教職員は全国大学高専教職員組合の協力を得て実施し、407人から回答を得た。それぞれの回答を元に、国立大の置かれた現状を考える。

応募に報告書に…増えた事務作業

 法人化後、教育研究費や人件費にも使われる運営費交付金は、2004年度~15年度の間に1470億円削減された。教員は、研究資金の減った分を、他の教員との競争に勝てば獲得できる「競争的資金」から得る必要が出た。

 資金を得るには、応募するための書類を準備し、採択されれば報告書を作らなくてはいけない。地域との連携強化や、学生による授業評価アンケートの実施なども始まって事務作業が増え、研究時間が削られたという指摘は多くある。

 文部科学省の調査も、その実態を映し出す。職務時間のうちに研究活動が占める割合は、2002年度に国立大は50・7%だったのが、18年度には40・1%と10・6ポイント減った。

■やること増えても、人手は増…

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