被害を減らしたい 逮捕15回の元非行少年が始めた自立準備ホーム

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編集委員・大久保真紀

 「自立準備ホームを知らない、聞いたことがない人が多い。弁護士ら支援者にも知らない人が少なくない。必要としている人に情報を届け、再犯、再非行を減らしていきたい」

 昨年3月21日、刑務所や少年院から出た人を受け入れる自立準備ホームの全国組織「日本自立準備ホーム協議会(日準協)」が発足。代表に就いた高坂朝人さん(40)が設立集会でそう語った。基調講演には当時の検事総長、林真琴氏が登壇した。

 それから1年半、日準協には506ある事業者のうち66団体が参加。研修会や情報交換を重ねる。自立準備ホームは2011年に法務省が始めた制度で、事業者は毎年法務省に登録する。出所者らが生活する場であるため、周辺住民との摩擦も考慮して、だれがどこで運営しているのかなどの事業者や場所の情報は非公開だ。存在自体があまり知られず、横のつながりもほとんどなかった。

 満期出所者の4割以上は帰る場所がなく、仮釈放者より再犯する割合が高い。行き場のない状況を連携して改善したいというのが高坂さんの思いだ。

 刑務所や少年院に収容中の人にも情報を届けたいと、今年4月には準備ホームを紹介する冊子を作った。

 刑務所を出ても住むところがなければ、再犯する確率は高くなります。再犯があれば被害が生まれます。それを防ぐため、行き場のない人たちを支えようと奮闘する各地の自立準備ホームを訪ねました。その2回目です。

 高坂さん自身、元非行少年だ…

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この記事を書いた人
大久保真紀
編集委員
専門・関心分野
子ども虐待、性暴力、戦争と平和など