「パレスチナの乳児の遺体は人形」と誤報 イスラエル紙が記事を削除
イスラエルの英字紙「エルサレム・ポスト」は2日、パレスチナ人の乳児の遺体をめぐる記事を取り消した。記事では遺体の映像を「人形だ」と指摘していたが、その後、実際に亡くなった乳児であることが明らかになっていた。
発端は、中東カタールの衛星放送局アルジャジーラが1日、X(旧ツイッター)にした投稿。「彼は戦争中に生まれ、イスラエル軍の攻撃で死亡した」との文章とともに、パレスチナ人男性が乳児の遺体を抱える動画を、モザイク付きで伝えていた。
エルサレム・ポストは同日、モザイクのない動画の存在を指摘し、「乳児はただの人形だった」と報じた。「アルジャジーラが意図的にミスリードしようとして自ら編集したのか、背景調査をせずに映像を共有したのかは明らかではない」と批判的に伝えるとともに、アルジャジーラの「偏向」も訴えた。
元の映像はXで拡散され、同様に「人形だ」との批判が相次いだ。だが、英公共放送BBCで偽情報の問題を扱う専門記者らが、映像が撮影された現場にはフォトグラファーがいて、高画質の写真が存在することを指摘。乳児は実際に亡くなっており、遺体が死後硬直していることも伝えた。
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