「パレスチナの乳児の遺体は人形」と誤報 イスラエル紙が記事を削除

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ロンドン=藤原学思

 イスラエルの英字紙「エルサレム・ポスト」は2日、パレスチナ人の乳児の遺体をめぐる記事を取り消した。記事では遺体の映像を「人形だ」と指摘していたが、その後、実際に亡くなった乳児であることが明らかになっていた。

 発端は、中東カタールの衛星放送局アルジャジーラが1日、X(旧ツイッター)にした投稿。「彼は戦争中に生まれ、イスラエル軍の攻撃で死亡した」との文章とともに、パレスチナ人男性が乳児の遺体を抱える動画を、モザイク付きで伝えていた。

 エルサレム・ポストは同日、モザイクのない動画の存在を指摘し、「乳児はただの人形だった」と報じた。「アルジャジーラが意図的にミスリードしようとして自ら編集したのか、背景調査をせずに映像を共有したのかは明らかではない」と批判的に伝えるとともに、アルジャジーラの「偏向」も訴えた。

 元の映像はXで拡散され、同様に「人形だ」との批判が相次いだ。だが、英公共放送BBCで偽情報の問題を扱う専門記者らが、映像が撮影された現場にはフォトグラファーがいて、高画質の写真が存在することを指摘。乳児は実際に亡くなっており、遺体が死後硬直していることも伝えた。

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この記事を書いた人
藤原学思
ロンドン支局長
専門・関心分野
ウクライナ情勢、英国政治、偽情報、陰謀論
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2023年12月4日22時21分 投稿
    【解説】

    イスラエルではハマスやパレスチナ側の出してくる情報が偽物だ、という前提で考えているため、真実がどうであるかではなく、それが偽物だ、ということを主張することがニュースになる。しかし、現実には多数の子供達が殺されており、偽物を出さなくてもいくら

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