日本の最低賃金は韓国以下、豪州の2分の1 専門家「差は開く一方」

有料記事ニッポンの給料

西尾邦明
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 海外の先進国と比べ、日本の最低賃金(時給)の低さが際立ってきた。物価の違いがあることに加え、他国の方が引き上げ率が日本より大きいためだ。円安も進んでいるため、円換算で見ると日本の最低賃金は英独仏といった主要先進国だけでなく、韓国よりも低く、豪州と比べると2分の1以下になっている。

 労働政策研究・研修機構などによると、韓国の最低賃金は今年5・0%引き上げられ、9620ウォン(約1060円)になった。来年の改定に向けた議論では、労働界から今年を上回る大幅な増額を求める声が出ているという。

20年前は韓国の2倍以上

 日本の最低賃金は20年前は韓国の2倍以上あったが、今は961円(全国加重平均)と1割ほど下回る。昨年の引き上げ率は3・3%で、韓国との差は大きい。

 豪州も昨夏に5・2%引き上げられ、21・38豪ドル(約2040円)となっている。

 米国は、共和党の反対などで連邦政府レベルの最低賃金は7・25ドル(約1050円)にとどまる。だが、各州や市などが独自の最低賃金を設定しており、働いている人にとって最も高い水準の最低賃金が適用されるしくみだ。

 全米50州のうち23州が昨年12月~今年1月に最低賃金を引き上げた。そのうち最高額のワシントン州は8・6%引き上げて15・74ドル(約2270円)、最も低いモンタナ州でも8・2%引き上げて9・95ドル(約1430円)となった。

 ニューヨーク市では7月からフードデリバリー(食事配達)についての最低賃金を設定。段階的に引き上げ、2025年4月に19・96ドル(約2880円)にするという。

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