北京のLGBTQ団体「不可抗力」で活動中止 「多様性に不寛容」

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北京=畑宗太郎

 中国でLGBTQ当事者らの心のケアや訴訟支援に取り組んできた北京の団体が活動中止を発表した。中国当局は人権など欧米の影響を受けた非政府組織(NGO)への統制を強めており、団体の関係者は「打撃が大きい」と肩を落とす。

 活動中止を発表したのは「北京LGBTセンター」。5月15日、SNS上の公式アカウントで「とても残念なお知らせですが、活動は今日で中止します」と声明を出した。理由は「不可抗力」とだけ記した。

 声明にはレインボーカラーのイラストが添えられ、「一つひとつの変化は私たちがみんなでつくり出した。歴史はこの努力を決して忘れない」とのメッセージも。「性的指向や性自認に関係なく、中国の人々が平等な権利を享受できますように」とつづった。

 声明への「いいね」や転載は1万回を超え、「また会おう」「お疲れ様」と惜しむ声が寄せられた。欧米メディアもその後、相次いで活動中止を伝えている。

 センターは2008年に設立。ゲイやレズビアン、トランスジェンダーといった垣根を越え、同じ悩みを抱える人たちがつながったり、互いに相談したりできる場を提供してきた。

強まる統制 いやがらせも

 しかし、活動を続けるのは容易ではなかった。

 「外国勢力の干渉」に強い警…

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