自衛隊の「コーキドーシャ」を横流し? ロシアがウクライナで使用か

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牧野愛博

 3月17日の衆院外務委員会で、ロシア軍が陸上自衛隊の高機動車とみられる車両を使っているとの疑惑を巡る質疑が行われました。独自にこの問題を調べている日本エネルギー経済研究所の黒木昭弘参与は、廃棄処分になった高機動車が業者を介してロシアに横流しされた可能性を指摘します。

 ――疑惑の発端は何だったのでしょうか。

 2022年11月11日、ウクライナのテレグラムサイト「NMTE」で、フロントガラスにロシア軍の「V」マークが描かれた、高機動車とみられる車両の写真が紹介されました。撮影された場所は不明ですが、「V」マークから、ウクライナ侵攻と関係があるのだと思います。写真には「高機動車はロシアでは活発に取引されている。ウクライナの自動車販売サイトでは見かけられないが、ロシアでは多くの広告が見つけられる」という説明がついていました。

 その数日後、同じサイトで、走行中の高機動車とみられる3車両の写真が公開されました。「ロシア・ブリヤート共和国から派遣された第11強襲旅団で、日本陸軍のトヨタ製『高機動車』が使われている」という説明がついていました。

 そして、今年2月25日、同じサイトで、すくなくとも2両の高機動車とみられる車両の映像が流れました。ロシアの修理工場にあるロシア軍装甲車「スコーピオン」と陸上自衛隊(原文では日本陸軍=Japanese Armyと記載)の高機動車だという説明でした。ロシア極東の中古車市場で一般的に売買されているとのことでした。

 写真に比べ、映像は加工が難しいため、米国やブルガリアの軍事サイトなどで「ロシア軍が陸自の高機動車を使っているのではないか」という指摘が広がりました。

 ――本当に日本の高機動車がロシアで売買されているのでしょうか。

「コーキドーシャ」 SNSに写真や映像の投稿相次ぐ

 ロシア極東ウラジオストクの…

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