30周年の記念シーズンを迎えたJリーグ。選手の欧州強豪チームへの移籍や、専用スタジアム建設など様々に進化してきたが、サポーターに最もなじみのあるユニホームにも変化の波が起きている。
北海道コンサドーレ札幌は2019年から、パリ・メンズコレクションで新作の服を発表し続ける「ホワイトマウンテニアリング」のデザイナー、相澤陽介さん(45)を、商材を手がけるクリエーティブ・ディレクターとして迎え入れた。公認Tシャツやキャップ、スウェットなどのデザインを担当、21年からは公式戦のユニホームデザインも担うとともに、運営会社の社外取締役にも就任した。
「チームを格好よくすることで、結果的に札幌を日本一にしたい」と語る。ファッションデザイナーとしてプロスポーツチームにどのように貢献できるのか、話を聞いた。
開幕前のユニホーム売り上げ、前年比138%
今年の開幕前のユニホームの売り上げは、昨年比で138%を記録。売り上げは年々伸びているという。
Jリーグのチームユニホームのマーケットは、決して大きなものではないという。「長年のサポーターは好きだったデザインの年のものや、思い入れのあるシーズンのものを着続けることも多い。スタジアムに来てくれるファンだからといって、毎年買ってくれるとは限りません。だからこそ、こういう結果が出て、よかったと思いました」と話す。
売り上げは、クラブのサポーターの数に応じて増減する。「サポーターが増えないかぎり、商品としてのユニホームを買う人は増えることがないですよね。コンサドーレの取り組みを知ってもらい、興味を持ってもらって、ファンになってもらうことが大前提ですから。毎シーズン『新しい物』『いい物』をパリで発表することを意識している自分のブランドとは、やり方が全然違う。そこが面白さでもあり、難しいところでもあります」
就任前から伊、仏でサッカー観戦、ユニホーム収集も
「ホワイトマウンテニアリング」の他にも、イタリアブランドのデザインを手がけ、フランスにはコレクションで出張を繰り返す。「以前から欧州各地で時間があれば大好きなサッカーを観戦してきました。試合そのものにも夢中になりますが、デザイナー目線で『あのチームのユニホームは、格好よくて強そうだな』という色んな記憶を長年積み重ねてきましたし、ずっと前からサッカーチームのユニホームコレクターでした。だから4年前、コンサドーレからのオファーは本当にうれしかった」
男性モードの発表の場として最高峰のパリ・メンズコレクションで発表するデザイナーが、コンサドーレ札幌のユニホームなどをデザインしています。記事後半では、相澤さんがチームやサポーター、サプライヤーとどのように付き合い、仕事をしているかを具体的に聞きました。
ユニホームはホーム用、アウェー用、サードの3種類ある。ゴールキーパーのものを含めると計6種類になる。それぞれに合わせるパンツとソックスもある。
ユニホームの制作は一般的に、スポーツ用品メーカー(サプライヤー)からデザインの提案を受けて、クラブが判断するという流れだという。デザインも、テンプレートがあり、それにしたがってクラブの配色などを決めたりするケースもあるので、海外のチームと同じデザインフォーマットになってしまう可能性があるという。
ユニホームは計6種類 「単なる色違いじゃない。全てにコンセプト」
相澤さんがデザインを手がけることで、どう変化したのか?
「デザインはゼロから作る…
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- 【視点】
相澤さんが凝らす工夫をインタビューで読むと、ユニホーム作りの勘どころ、サッカーのプレーと似ているのだなと感じます。「パートナー企業のロゴが目立つことは重要だが、それぞれのロゴの色がバラバラではバランスが悪くなる」とのくだり、まさにサッカーで
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