ロシア肝いりの国産車ブランド いきなり「失速」 月販わずか29台
昨年11月に生産開始したロシアの国産自動車ブランド「モスクビッチ」の今年1月の販売台数が29台だったと、ロシアメディアが伝えている。モスクビッチは、ロシアのウクライナ侵攻後に撤退したルノーのモスクワ工場を引き継いだブランドだ。
ロシアは欧米の制裁や外国企業の撤退といった「逆風」が吹く中、「国産車」生産に力を入れるが、この産業に必ずしも追い風は吹いていないようだ。
モスクビッチはロシア語で「モスクワっ子」の意味で、ソ連時代の自動車ブランドの復活となる。
車種は、中国の安徽江淮汽車集団(JAC)の車をベースにしたSUV(スポーツ用多目的車)「モスクビッチ3」。今年は電気自動車(EV)1万台を含めて5万台以上を生産するとしている。
生産開始時には、マントゥロフ副首相やソビャニン・モスクワ市長も工場を訪れ、期待の大きさをうかがわせた。モスクワで昨年12月末に販売を開始し、全国に拡大していく計画だ。
ただ、ロシアメディアによると、昨年12月の販売台数はEV2台を含む6台で、1月までの販売は計35台にとどまった。
価格はガソリン車で197万ルーブル(約350万円)、EVで350万ルーブル(約630万円)となっており、「国産車としては高すぎる」といった声が出ていた。
ロシアでは昨年2月のウクライナ侵攻後、トヨタ自動車や独ポルシェなどが販売停止や生産の撤退を決めた。部品の輸入も難しくなり、国内大手「アフトバズ」が、エアバッグなどを装備しない新車を発売する事態になった。
欧州ビジネス協会(AEB)によると、ロシアの2022年の新車販売は68万台と、前年から58%の大幅減となった…
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