英語教育「早ければ効果が出る」は幻想? 小学生の学びで大切なこと

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篠健一郎

 小学3年生から「外国語活動」として英語を学ぶことが、2020年度実施の学習指導要領に盛り込まれました。ただ、1年生から英語の授業がある自治体もあります。

 英語は早く学んだほうが良いのか。外国語習得や言語教育に詳しい、米ペンシルベニア大学のバトラー後藤裕子教授に英語の早期教育の効果や注意点を聞きました。

根強い「ネイティブ神話」

 ――英語はいつから学び始めると良いですか。

 何歳から学ぶと良い、という決まった答えはありません。

 生活の中で英語を使う第二言語環境では、年齢がある程度関係します。特に発音は、早く学んだほうがいわゆるネイティブに近くなるでしょう。

 ですが、日本のような、英語を日常的に使わない外国語環境では、それは「幻想」です。

 ――「幻想」、ですか。

 日本では、発音や聞き取りの能力を身につけるために、ネイティブから学ぶべきだという「ネイティブ神話」が根強くあります。

 ただ、週1、2回の英語を年…

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    蟹江憲史
    (慶應義塾大学大学院教授)
    2023年2月15日10時31分 投稿
    【視点】

     この記事を読みながら大きくうなずきました。英語よりも大事なのはコミュニケーションであって、言葉はあくまで手段でしかないと思います。  昔、学生時代に住んでいた寮の寮母さんと寮生とで海外に行ったことがありました。周りが英語を考えてしど

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2023年2月15日20時41分 投稿
    【視点】

     各界の最前線で活躍する学者やパフォーマーが、最先端の知見を短時間でプレゼンテーションする動画を毎日配信しているTEDというインターネットサービスがある。ときどき英語のリスニングの練習を兼ねて私も観る。  そこで観た、いかに言語が人

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