教育実習生が「民間行く」 教頭の苦悩 教員採用「定員割れ」の窮地

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武田啓亮 塩入彩 高浜行人
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 各地の教育委員会が実施した2023年度公立小教員採用試験の受験者数を朝日新聞が独自に集計したところ、22年度(文科省調査)より約2千人少なかったことがわかった。なかには「定員割れ」が起きた自治体も。現場は教員探しに追われている。

 「これまでとは次元が違う。新年度は先生の確保が一層厳しくなりそうだ」

 大分県内の公立小の教頭はそう話す。大分県の23年度公立小教員採用試験では、採用見込み数200人に対し、受験者数は198人と異例の「定員割れ」に。合格者数は159人と採用見込み数を大きく下回った。教頭は今から心配が尽きない。

 勤務校では昨年4月、学級担任が足りない事態に陥った。補充は難航し、定年退職して再任用期間も終えた60代後半のOBに声をかけ、なんとか担任を引き受けてもらった。「本来、体力的にも精神的にもかなり無理があるが、背に腹は代えられなかった」

深刻化する教員不足に、現場からは悲痛な声が上がっています。「定員割れ」が起きた大分県を中心に、学校で何が起きているのかを聞きました。

 教員不足が生じた場合、教育…

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