「まん延防止」適用の岐阜、どう変わる?学校は、時短は

板倉吉延 高木文子
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 新型コロナ対応の「まん延防止等重点措置」の適用を受けて岐阜県が7日に公表した追加対策は、県内16市町の飲食店などに酒類の提供をしないよう要請するなど厳しい内容となった。この日は新規感染者が過去最多の130人にのぼり、古田肇知事は「新たな対策の段階に入った」と危機感をあらわにした。

 県は独自の非常事態宣言に伴い、4月26日以降、16市町の飲食店などに順次、営業時間短縮(時短)を要請してきた。重点措置の対象地域もこの16市町となり、新たに酒類の提供の自粛を求める。

 また、カラオケ設備を持つ県内すべての店舗に利用の自粛を要請する。要請は特措法に基づいていて、応じない場合の罰則の規定もある。古田知事は「(店舗側が)どう対応していくか見極めたい」と語り、市町村と連携して飲食店の見回りを強化するとした。

 県内の直近1週間の10万人あたりの新規感染者数は26・9人で、国の基準のステージ4(25人以上)に達した。病床使用率も、8日にはステージ4(50%以上)となる見通しだ。今後、1日100人規模の感染者数で推移すれば、10日から半月でコロナ病床が埋まる恐れがある。

 この日の本部員会議で、県医師会の河合直樹会長は「若年者の感染が増え、全国的にみても若年者の重症化リスクが上がっている。当然、高齢者にも広がる。変異株は桁違いの感染者を出す可能性がある」と指摘。古田知事は「何とかして『自宅療養者ゼロ』を貫きたい。すべての地域で、県民の日々の行動やあらゆる面で、オール岐阜の総力戦を開始しなければならない」と訴えた。(板倉吉延、高木文子)

7日に発表された主な対策

【飲食店への営業時間短縮要請】

・対象期間 5月9~31日(9~11日は猶予期間)

・対象地域 岐阜市大垣市多治見市、関市、美濃加茂市土岐市各務原市可児市瑞穂市中津川市羽島市本巣市岐南町笠松町北方町養老町(計16市町)

・要請内容

終日、酒類の提供は行わない

カラオケ設備の利用自粛(県内全域)

営業時間の短縮(午前5時~午後8時)

【県民への要請】

感染防止対策が徹底されていない飲食店や営業時間短縮に応じていない飲食店などの利用自粛

・自宅を含め、大人数・長時間での飲酒の自粛

・河川敷などでのバーベキューの自粛

【外出移動の自粛(特に若者)】

・日中を含めた不要不急の外出・移動の自粛

愛知県など緊急事態措置区域、まん延防止等重点措置区域との往来自粛

【イベントなどの開催制限】

・県、市町村、指定管理者主催の5月末までのイベントを見直し

教育現場

・部活動、課外活動の制限、学校における遠隔授業などの推進について検討

クラスター、新たに4件

 県と岐阜市は7日、10歳未満から90代の男女130人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日あたりで発表された新規感染者数としては、1月9日の105人を上回って過去最多となり、県内の感染者数は延べ6288人となった。

 入院していた大垣市の90代の女性1人が亡くなり、死者は計138人に。すでに感染が確認されている人のうち5人から民間の検査で変異株が見つかり、県内の変異株感染者は計244人となった。

 新たなクラスター(感染者集団)は、県が3件、岐阜市が1件を認定した。多治見市の個人宅で食事をした15人のうち9人が陽性となり、その家族1人を含め計10人のクラスターとなった。

 7日に発表された居住地別の感染者数は次の通り。

 岐阜市35▽大垣市12▽可児市12▽美濃加茂市11▽土岐市6▽本巣市6▽関市5▽御嵩町5▽多治見市4▽羽島市4▽岐南町4▽坂祝町4▽各務原市3▽恵那市3▽瑞浪市3▽高山市2▽中津川市1▽瑞穂市1▽海津市1▽養老町1▽池田町1▽笠松町1▽神戸町1▽北方町1▽安八町1▽川辺町1▽愛知県1(岐阜県で検査)

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