東大新総長選びに「疑問」 ノーベル賞梶田氏らが要望書

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 現在進められている東京大学(五神〈ごのかみ〉真総長)の新総長選びのプロセスに疑問があるとして、ノーベル物理学賞受賞者で東大宇宙線研究所長の梶田隆章氏ら学部長や研究所長の有志が、東大の総長選考会議に対し、説明を求める要望書を送ったことが25日、わかった。

 24日付で要望書を送ったのは、梶田氏のほか、法、文、医、薬の4学部の学部長や地震研究所長ら15人。

 東大の総長選びは、小宮山宏・元総長が議長を務め幹部教員や財界人らでつくる選考会議が、第1次候補者の中から3~5人の第2次候補者を選定。2次候補を対象に教員らの意向投票が行われ、その結果も参考に選考会議が決める。すでに3人の2次候補が選ばれ、30日の意向投票を経て10月2日に新総長が決まる。

 要望書は、選考会議が2次候補を選んだプロセスに疑問を抱かせる情報があるとして、「公平性・透明性に大きな問題がある」と指摘。「このような事態では、意向投票の意義が損なわれ、新総長と本学構成員との間の信頼関係を築く基盤が失われないか心配」として、安心して投票できるように、疑問点について今月28日までに説明するよう求めている。

 今回の総長選考をめぐっては、東大の理事経験者の有志も25日、2次候補の選定理由を学内外に十分に説明するため、意向投票の延期などを求める要望書を選考会議に送った。

 五神総長は来年3月31日に任期満了を迎え、新総長は同4月1日に就任する予定。東大は取材に「要望書については現在協議中だ。総長選考は定められたルール・プロセスで審議を続けており、新総長決定後の記者会見で、選考結果・選考理由・選考過程については公表する予定だ」と回答した。

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