(書評)『ひきなみ』 千早茜〈著〉

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 ■一人でも手を取ってくれるなら

 小学六年生の主人公、桑田葉が初めて一人で海を見るシーンで本書は始まる。東京から瀬戸内の島にある母方の実家に預けられた葉は、参加した寄り合いで、母に持たされた携帯を粗暴な男の子に取り上げられてしまう。男しか立ち入れない上座に逃げ込まれ、葉が泣き出しそうになっていると…

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