(多事奏論)中国「原子城」から考える 科学技術と安保、溶ける境界 吉岡桂子

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 青黒いキノコ雲の模型があった。高さ1メートルはゆうに超える。そばの画面には、満面の笑みを浮かべて跳び上がって喜ぶ研究者らの姿が繰り返し映し出されている。胸が苦しく、気分が悪くなる光景だった。

 中国最大の塩水湖のそば、内陸青海省に「原子城」と呼ばれる町がある。1960年代を中心に、秘密裏に研究者が…

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