(文芸時評)傷ついた者のため 沈黙にあらがう声、文学に響く 小野正嗣

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 来月の11日で東日本大震災から10年の節目の年になる。津波と原発事故という未曾有(みぞう)の惨事は、人間の想像力の矮小(わいしょう)さや無力さを思い知らせる出来事だった。だからこそ、あるいは、にもかかわらず、サミュエル・ベケットの「想像力 死んだ 想像せよ」という言葉が示すように、作家や芸術家は想…

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